kikuyamaru's blog

こちらにはノンジャンルの長文などを書いています。

今年(2018)出資したクラウドファンディング

びっくりするくらい出資しました。いや、金額じゃなくて、数が。全部ヒーローがらみ。あれ?今年LH(ローカルヒーロー)界でCF(クラウドファンディング)流行ってるんです??いや、メジャーもありますけど。

で、振り返ってみました。

色々バレますので具体的作品名は伏せます。わかっちゃうかとは思いますが一応な。


凡例

達成 : 目標金額越え

未達:all in で目標に達せず

今回は、All or nothingでの不成立案件はなかったので、全部支払いがありました。

不成立は正直へこむのだけど、未達 all in も寂しい。


で、達成と未達成何が違うんだ?と思って、概算で全支援金額を支援者の人数割してみました。レディーフォーは人数がわかんないので、強制的に書かされる頑張ってくださいコメントの数としました。

         

A (映画) 達成 1人あたり 13000円

完成し限定公開済みの映画をさらに前に進める宣伝費のためのCF。

オールオアナッシング。潔い。

しかし、非常に長い積み重ねの先にこの段階があり、既にお財布を開いている人ばかりが何回も負担する図式が懸念される。そこはプロデューサーさんも織り込み済みで新しい人に知ってもらうために映画関係の多いサイトを選んだとのこと。

プロジェクトは成立しましたが、どんな芽が出るかはこれから。

顔見知りの範囲外へ飛べるか。それがみてみたかったんだ。お金でその翼は買えるのか。


B (TV) 達成 1人あたり 19500円

次回作に出る新ヒーロースーツのための資金。目標を超えた分は作品のクォリティを上げるために使いますというもの。オールイン。

どっちかというと、ショーも撮影も共用でおびただしい回数酷使されて破損している小物類の修理とかしてくれないかなーとか

なるべく俳優さんがスタッフワークをしなくて済むようになるといいなーとか

思ってました。

後者は、よくなったっぽい。現場見たわけじゃないから知らないけど。

前者は多分願い届かず。

クラファンの目的である新スーツはできたからどうこう言えたことではないですけどね。

ここで驚いたのはうちあげに参加希望の人数の多さでした。新しく出る役者さんのファンであろうところが垣間見えます。先にも書いたけど、顔の見える範囲の財布はやがて厳しくなりますからね。2,3年後の出方が気になります。


C (ショー) 未達 1人あたり6千円

定期的にやっている、被災地のこども達を招いての大規模ショーのための資金です。オールイン。

しかし、立て続けに他の地域での豪雨災害などが起き、その辺との兼ね合いであまり表だった宣伝を行わず、目標金額に達せずにクローズしました。それでも集まった分は費用として使われたはず。

実績のある団体であり、然るべき方向にアピールすればいける金額だったと思います。

気持ちはわからないでもないですが、お金を出している方からすれば、私の出資はまちがっていない、と言ってもらいたい気がするんですよね。集めている側がお金集めに気兼ねしていたら、出す側もあまり嬉しくありません。その気持ちは直接クラウドファンディングの事務局へのメッセージとして届けました。これはこれとして、ベストを尽くし、別の形で他の土地を支援することはできるのじゃないかな。


D (TV) 未達 1人あたり7500円

地方でTV放送した作品の2シリーズ目を作るための支援です。

多分、最初から作る気は満々だったと思うんですよ。しかしリツイートの実績ができたら作りますということで、ちゃんとそれを果たしてから次に進みました。

まず先に認知を拡げ、応援する層があることを示そうとしたわけですね。リツイートくらいもしてくれない人がお金を出すわけもないからね。一理ある。

多分実際見た人は続編を見たいなとは思ったはず。その人数を増やすために、応援する人たちが面白さを自分で表現して拡散していた。

追加のリターンとしても工夫のある物が次々出てきて、やる気を感じさせます。しかし目標には足らない。すごい頑張ってるんだけどな。何が足らないかな。

目標が高かったのか。

オールインなので、集まった分は役に立つはず。


E(メジャー旧作のイベント) 達成 1人あたり 13500円

これは、単にイベントが見たかったのでw、チケット代のつもりで払いました。熱心に見ていた作品だったんで、スポットが当たるのは嬉しかったですね。そういう無邪気な出資です。楽々目標超え。メジャー強し。

他の、イベントを伴うCFもみんなそうだったんですけど、申し訳ないけど、代表してここに書かせてもらいます。紙のチケットがあるのかないのか、無い場合は、どこそこの受付で、こんなことを言ってくれればおっけーですとか、実際に会場に行ったときにCFの場合の窓口はこっちですよとか、そういった案内が足りないなあと思います。CFをギリギリまでやると取り置き方式にならざるを得ないんだと思いますが、そういうの、小劇場なんかでは普通ですけど、一般的には先にプレイガイドなり、WEBなりでチケットを手に入れてから行くもので、とっても不安なんですよ。

ということで、イベント的なリターンを伴うCFの場合は、チケットのこととか詳しくメッセージしていただいたり、会場での案内表示なども手厚くお願いしたいと思います。


F (チャリティ)  達成 1人あたり3千円

災害支援チャリティのためのイベントと絡めたCF。使用会場の規則でお金のやりとりができないそうで、募金はできても物販ができないんですね。CFで申し込んでから、会場で品物を引き替えるようなやり方をとったようです。

ここが使ったCFのサイトが基本的にAll or Nothing 方式なため仕方ないのですが、チャリティでAll or Nothingはなんか違和感があるなと思いました。

成立しないとモノが手に入りませんし、みんなの善意も届かない。

それにイベントは先行してるので、一部のリターンはもう渡しちゃってるんですよ。

成立しなかったら主催者自腹かしら。

心配して、既に支援した人がもうひと押しで再支援している様子も見られましたし、多分、そういう人は会場にも行ってると思う。勢いに欠けるときのクラウドファンディングのアレなところは、出してる人が更に出すような循環に陥ることだね。

出演者の方の親身な呼びかけもあって成立してよかったですけど、まあ、考えさせられるところはありました。ぱっと見、難しいなと思うものはやっぱり難しい。


G (演劇) 未達 1人あたり7900円

演劇の資金。

そう大きく宣伝もしてなくて、当日配られるチラシに名前が入るとか、役者さんと写真が撮れる等のリターンでギリギリまで募集。

劇団でもカッコいいCFもあるんだけど、今回のはなんとも簡素で、これは、要するに、カンパですね。カンパ。雰囲気が、もうね。

でもね、ほんとは観てから面白さに応じて払いたいですね。

観てのお帰りで面白かったら追加分のお金入れてもらった方が良くない?って思ったりする。

なんで出したかというと、知り合いの関係で。


H(映画) 達成 1人あたり1万5千円

自主映画の第2段。

届けたいところに届くという需要(お弁当差し入れなど)

普通のリターン

お近づきになりたい的な需要

全てを網羅する、心理をくみ取った幅広いラインナップのリターンです。参考になると思う。

これだけの人数が支援しているのに、打ち上げ参加希望がさほど多くないのは不思議な感じ。客層の距離感が出てるのかな。

記念カキコ、じゃないけど、記念支援的な人もいると思われるタイプの作品。

前ほどの勢いではないですが、それでも総額はすごいね。

 


あと、出さなかったものについても少し。

地方発のヒーロー映画で、有名な特撮俳優も揃えたやつがひとつ。

観たい気はしたの。でもなんか、特オタの一般教養としての観たいだった気がする。

仲間になってこれを成立させようという気分にはならなかった。

馴染みのない人だったからかなー。


それから、観たことある劇団の公演。

いくつかありました。

なんとなく、チケット以上の額を出すほどでもない

もしくは、既にコミュニティがあって、輪に入りづらいなどの理由。

劇場で売っているグッズもあまり買わないです。

実はチケット代に見合うお芝居が観られることすら少ないと思っている昨今でして、一見(いちげん)状態からそれ以上を支援する気分になることは少ないです。

 


頭割り金額を書いてみて思ったのですが、募金のやつはともかく、概ね一人あたま1万円の壁はありそうにみえる。

皆同じようなモデルで目標とリターンを設定してるのですかね。だとするとそのやり方では、1万円以上出す人が一定割合いないと目標超えしないという結果が出てるわけだ。これ、結構な額じゃん?躊躇しますよ。

本当に大衆を相手にする大手は別として、LHやら劇団みたいなものの場合、これを超えるには、活動自体を積極的に意識して支援する、しかも太っ腹な人が必要で、ま、要は「ご贔屓様」がいないと難しいと思われる。

プラス、宣伝で広げた裾野からの支援でしょう。この人達は次にはてっぺんのほうに育つ可能性もある。

財布を開くかどうかには、作品やキャラクターやショーのクオリティ以外に、普段からの活動方針への共感度とかが関係するだろうし、

もう一つの側面として、顔の見える度(誰が関わっているか)、会いに行ける軸もあるでしょう。

あと、こっち方面でやや特殊なのが、俳優さんなどのご贔屓をそのまま引っ張ってくる手法ねー。いなくなるときはごそっといなくなるやつねー。ワンタイムご贔屓。


クラウドということで、広く支援を募っているようでありながら、実は”贔屓”の支えなくしては成立しないような目標設定、リターン、宣伝では、新規や育成中のプロジェクトには突破が難しい。

あと、お金を払いたい層が既存のファンに少ないような場合も苦戦でしょうね。LHは見る側は無料の催しが多いですから、普段金払わないわけです。”タダだから見てる人”に混じってる、”本当はお金を出したいと思ってる人”を育てておかないといけんし、ショーを観る層以外の人に共感してもらってパトロンになってもらうことも必要かもしれない。

どのくらいの伸び代を期待して、何をしたらいいのか、成功モデルが求められますね。