kikuyamaru's blog

こちらにはノンジャンルの長文などを書いています。

龍神伝説にっき

劇団スタージャン旗上げ公演

龍神伝説 -Another zero-

10/1-9(予定) 千本桜ホール

前売 4500, 当日 5000, 昼夜通し 7000, リピーター3500
※チラシでは10/1-10/7となっていますが、8,9が追加されました。

役名/俳優名
三浦栄太郎/阿比留大樹、三浦神那/八田麻美、三浦大胡/椙本滋、濱尾護/関根裕介、
荘野緑子/宮本京佳、兵藤嵐/諸星直、都筑京/松林早紀(A)森實りこ(B)、星乃雪滴/近藤輝、
アガタ/内山眞人、濱尾愛/皆瀬祐希(A)櫻井美咲(B)、亀生田滋慶/西岡歩、辰峰安虎/本間匠(A)玉井直哉(B)、瀬谷宗一/貝原順二、吹鳴/西原杏佳、氷湖/一之瀬サクラ、伯愛/しいななな、緑陰/心優、唄/蒼姫あゆみ、山吹紅葉/村咲るな(A)遠藤萌絵(B)

スーツアクト:Team ARROW-S、齋藤颯人

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スタージャンの名前を掲げて募集していた劇団の旗上げ公演です。(たぶんな)

 

世界という言葉があります。
お岩さんの話は忠臣蔵の世界。桜姫は隅田川助六は曾我の世界の話である。
郭で遊んでた助六が実は曾我五郎(そがのごろう)で、工藤見つけた、仇討ちじゃーってなるんですよ。
そういう意味でのスタージャンの世界と、浦島太郎の世界の話であろうと思います。

 

*******

見に行くたびになんか書きます。

公演中

公演後

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ネタバレあります。ひきかえせ。

 

ひきかえす猶予を与える間に、感染対策について書いておきましょう。

席数20プラスαで、1列に4人か5人。左右1席空け程度の椅子配置です。ステージからは2メートル後退しております。

この劇場が普段キャパ80なのは、ステージのすぐ前から客席を配置し、かつ、大きい人なら身体が斜めになるくらいみちみちに人を入れるかららしいです。(来たことある方に聞いた)それにしたって80入るかね?20-30に減らす、で正解じゃないですかね。

ビル下で予約名確認と、手首検温、アルコール手指消毒。

お手洗い帰りに受付で消毒。

各席にフェイスシールド(置いて帰る)。息苦しい場合はマスクかシールドのどちらかはしてくださいとの前説あり。飲食禁止。ペットボトルの飲み物で水分補給は可能。

舞台上の役者はマウスシールドを着用。劇中飲み物を飲む演出では、ずらしてます。

上演後面会なし。チェキは1組ずつ舞台に上げ、演者との間にビニールカーテン。待つのは自席で。

チェキにサインは先方のペンで遠くで書いてる。チェキ渡しはスタッフから。スタッフは別班の役者のことがあるのだがいいのか?

物販は普通な印象。カーテンなし。客が"コロナしぐさ"をわきまえていて、人が並ぶようなことにもなってないのでまあいいか。というところ。

 

                    

公演中 

あらすじにはあまり触れません。あとでな。

10/1夜(A班初日)、10/2夜(B班初日)

初舞台や経験の浅い方もいる中で、いい線まで仕上がっていて、よく稽古したんだろうなと思いました。安定感はおとなの数に左右されます。場数を踏んでいる方同士の芝居があるので、普通のアクション中心の小劇場作品よりは、芝居らしくできている印象を受けました。

一方で、若い人だけの場は、そうは言っても厳しい。これが全体の中でこのくらい(体感5分の1)の割合だから持ち堪えられてる。

アクションは、場によって出来の差がありました。1回目の四柱とアガタの立ち回りの間合いがピタッといかない。もたつく。2回目の場の方が噛み合っている。

スーツアクションは、金の人如何にかかってるのではー。いろんな意味でー。
大樹さんVS黒いスーツのアクションは流石にきびきびしている。別芝居みたい。アクションが売りの舞台はこのレベルがどの場面にもがんがんつくわけ。そのかわり、普通の芝居の質がそれなりというか小劇場っぽい雰囲気になる。両立は難しいね。

主演の大樹さん(栄太郎役)は、アクション、アクロバットを含むパフォーマンス(今作でも山場に勿体ないくらい少しだけ、かつ効果的に披露されています)が本領ですが、今作では本性出るまでが長っ。そこまでに普通に大量の台詞をこなしており、この人をノンバーバルの世界に置いておくこともまた勿体なかったのだなと思えます。

もったいないといえば、関根さん(護(まもる)役)に至ってはほぼバトル封印です。しかしアクション俳優としてやられてきた歴史をうかがわせる転がりようをごらんください。むっちゃ転がされる。今回いちばん地面に近い役者。

そして、うるっさいねー(音量的な意味で)。知ってるけどうるさい。この箱の大きさと作品のサイズはよい具合に合いましたが、(もっとでかければそれなりのやりようになるのでしょうが、固定カメラの前で4:3のテレビの枠の中に収めて芝居するのにも似たレイアウトのうまさが今回はあります)、護の声ははみ出ている。でも変えないでしょうね。今回は"自分の役"だから、変えないだろうな。

雪滴(しずく)もすごい騒がしさ。それが2人並ぶんだぜ。このコンビの方が主だったら、ごたごたしてただろう。栄太郎のほうで良かった。カンナも影を秘めながら芯があり釣り合っていたと思います。

内山さん(アガタ役)がちょっと出てきて好きなようにやってるのが面白いですね。この人だけアニメだもんね。ちゃんとそういう役にしてあるのはいいんでないですかね。

緑子さん、ぴったり。安定感半端ない。

嵐は、良くやってるなと思いました。同じ場面で芝居を受けてくれる人達が上手いということもあるけども。

・冒頭のナレーションは、長いんだがスタージャン名物なので、ああ、と思う。

・映像の亀と辰、役名逆じゃない?

・舞いがありますが、ひたすら頑張ってほしい。片足立ちがふらつくのとか気になる。

・ドリンク遊びは、B班のを見ながら若干素に戻りました。喋るときはシールドしてからにして。一応。

・5年前の場面が"今ではない"ことがほぼわからずに進んでいってしまう。ここはミスリードしない方がいいんじゃない?って個人的には思いました。

・ハマオマナブって言ってしまうのろい、初回で発動。もう一回くらいあるね、きっと。

・糸くずを拾う、倒れたリュックを直す。役の中で臨機応変にやっていくマインドは良いですね。

 

作品について(2日見終えて)

あら筋については、終わってからまた書こうと思います。よくできています。歴代の中でもいいんじゃないかな。たぶん映像のときは尺の関係で切ってしまうところが残ってわかりやすくなってるのでは?と想像しています。

で、あれとあれは対応するんだな。ああ、実はそうだったんだー。みたいなからくりがわかってくる快感をひととおり経ると、で、これは、どこで感動するの?ってなる。筋を追うのは1回見ればわかるからね。

距離2メートルで芝居見てたらもっと心情ががんがんきてのめりこめていいはずなんだが。

後半に密度が欲しいです。乙姫とミサキなり、栄太郎と護なりの関係性とかをもう少し煮詰めても良くないかな。

 

絵とか

毎度、やりたかったことはよくわかる、と思いながらドラマを見ていますが、今回は舞台なので、役者の芝居だけで想像させるため、やりたかったことはよくわかる的な厳しさは殆どないんです。"龍神がいると思いねえ"でなんとかなる。便利だ。ジンのとき、これは舞台でやるといいだろうって思ったんですよね。

しかし唯一残った「やりたかったことはよくわかる」が、他ならぬスタージャン(と呼んでおきます)なんですよ。

それはそれはインパクトがあって(個人的に、アリオンでレスフィーナが馬になるくらいの衝撃)他がすっとんじゃうとともに、どうにかならんかったのか、とも思う。まあ、やりたかったことはわかる。

楽までになんか変えられるのか?僅かな望みを求めさすらうおれなのさー

 

写像的なこと

スタージャンの基本的な教訓は

女の人を助ける+コンパクトを手にする=大変なことになる、です。(笑)
いや、諸説あり。信じないで。魂魄とコンパクトは似てるな。そういえば。

今回は、ちと変形してますが、まあ、もらっちゃいけないよねー。おとうさんも含め。

あと、4人で何かを守っているときたら、ロイヤルですよねー。

濱尾さんとシズク、濱尾センパイっと馴れ馴れしい兵藤嵐、この辺は名前通りでしょう。あの意味ありげだけど何もなかった嵐に、意味を付けてきましたねw

ほか名前が同じ人が登場するワケらしいものがチラッと描かれています。

きみはずっと特別な存在なんだ。っていうのはジンに出てくる言葉ですが、全員が特別なオンリーワンということじゃなく、ほんとに特別な存在らしいことが本作では描かれています。

また、まもれなかった…。まもれる日はくるんですかね。

 

10/3 夜(B班)

疲れてきてるのかな、関根さんの台詞がとびがちで、勢いでごまかそうとしてぐだぐだ。

ほかにも、台詞がごちゃごちゃごちゃってなっちゃって聞こえない人が何人か。

少しゆっくりにしていいからはっきり聞こえるように話してほしいし、激しい言い合いでも言いっぱなしでなく、何言ってるかを客席に届けてほしい。

楽しそうに和気藹々としてる様子や、封印の解けかけたほこらを前にした緊迫の場面は、少し感情が乗ってきたように思います。

乙姫が、過去の真実を語るときも、少し良くなったけど、

語りだけでなく、バックでアンサンブルによる再現とかあっても良さそうだなあと思った。

この作品の中で、取ってつけたような"負けないでっ"のところが嫌い。

意味は分かりますよ。あの世界を作っちゃあ壊している存在かなんかに何度でも立ち上がって抗っていけと。

でも、なんか、関係ない人になんか言われてる感が漂うんだよねー。なんでだろね。

 

10/5 夜(B班)

B班ばっかりだな。

今回初めて最前じゃなく3列めで見ました。特に支障なく、台詞も聞こえました。つか、もう台詞覚えてきたよね。

長くてアタマに入ってこない説明ナレーション・独白の中味が少し処理できるようになってきた。ああ、そうかそうか、ミサキが覚醒しないように封じ込めているのは乙姫なんだなあとか。
あと、嵐が絡む箇所で、一瞬止まる変な演出あるじゃない。(←変な言うな)ああそうかぁ、これ、JINのときに使ってた効果音か−、っていうのに気づいたりしました。

護は、麦わら帽子をテンガロンみたいにして、髪すこし固めて、あと、後半の調査のところではおろしてたズボンの裾をあげっぱなしで、ずっと半ズボンのままになってた。(逆に前は後半だけなんでおろしてたのか疑問に思っていたw) ちぐはぐ度が上がった気がする。

あと護が研究所に入ってくるときに、Amazonの箱持って入ってきて、(最近、ドアの外に置き配してるからそれなんだろうね。)その箱を栄太郎が踏み抜くっていうごちゃごちゃした遊びが入ってました。前回と前々回見たときはドア壊してました。
(この辺は、京が、ドリンク以外のところも素なのが気になっちゃう。"世話"な芝居をするのと素は違う。)

雪滴を守ろうとする場面では、少しヒーローっぽい雰囲気を付けてきたようです。前は控えめにしてたのかな。やいばなんだー(それは人が違うからね)

同じ場面のアガタは話をどっちに持っていこうとしてるのかが分からないですね。
四柱を消せばこの世界は災厄に飲み込まれるわけで、そっちを本気で狙っていたのか、雪滴が傷つけられては困るからなのか、護のチカラを引き出すためのポーズなのか。

良くなったところ。看護師さんのお芝居がよくなってきました。
あと、四柱が、4つの神器の箱を掲げるところ。箱が綺麗に整列して欲しかったんだけど合わないなあって思ってたの。
今日はもっと低い位置で、箱を付き合わせるようにしていました。これなら合うね。
あと、おとうさんのMADぶりが少しUPした。明らかに様子がおかしいな、というのが分かるようになりました。

 

物販。今日からか昨日からか台本を売ってるのですが、終演後にサインを入れてからお渡ししますけど、お時間大丈夫ですか? …くらいの確認がほしいですね。
2500円のお金を渡して、サインはデフォルトでいいかを聴かれた後、ものを渡さず、いつ渡すかの説明もせず、引換券も出さず、名前も確かめず、もう取引終わりましたけどなにか?みたいな風情でして、え?大丈夫なの?いつもらえるの?って気分のまま芝居見て終演。物販始まっても一向に呼んでくれる気配がないから、「もらってないんですけど?」って聞きに行ったら、これからサインを入れるんだって。終演後に買った人も、しばらくして「もらってないんだけど?」って言ってたので、やっぱり説明しなかったんでしょうね。早く帰らなきゃいけない人が居たら困ると思うよ。

組み合わせチェキは面白いけど、さっさと済ませたいご時世なのにいっつまでーも終わらなくて、なんかなあ。工夫が要るんでないかい。

 

10/7 昼(B班) 夜(A班)

本来はこの昼で千穐楽だったので、前にそのパターンで楽日みられなかったから休みをとっておいたの。そしたら千穐楽が伸びちゃった。ちっ。せっかくなので夜もみることにした。

昼は、めずらしいことがひとつあったけど、舞台の核心になるので書けない。後日。

夜は雨だったから、検温担当の役所の瀬谷さん(ではない)が傘袋をくれました。やさしぃ。役の方の話をしますと、瀬谷さんの風情が良いです。初舞台なりに頑張ったね的な良いではなく、真に善良な市民にして組織の言いなりにもなる普通の人を無理なく存在させていて、かつ素人っぽくない。とてもよい。

さて舞台。5年前の場面、の前に、あれから5年たつことを神那がしゃべっていて、ああ、ここからすぐ切り替われば分かるんだろうなあと思いました。やっと、6回目にして。
たとえば、大きな舞台で、片側が部屋としてスポットが当たっており、もう片側が海岸になっていて、スポットが切り替わる、とかなら過去の場面と分かるかもしれない。しかし、今回は少し間があいてしまう。護が調査に行っているというミスリードもある。わざとじゃなかったらだいぶマズい持っていきかただけど、わざとだよね?もし初見ですんなりと、時系列が違うということに気づいた人がいたら偉いですわ。私、病院の場面も神那と瓜二つの子を教授が隠してるんだなって思ってましたからね、初見のとき。

あと、四柱の初登場の場面の導入で、海の音がするのが分かった。あの子たちは海の方にいるんだね。(そらそうか。)

夜は仏壇席でした。(なんのことやら)。護くんのいい笑顔がいただけてうれしい。
彼は少しスッキリしてきましたね。今さら言わせていただきますが、口髭いらなかったんじゃね?

「契約」の場面は少し濃いめにしてきていますね。ここで盛り上がらなかったら困るもんな。
あと、海岸が開発されそうになったときに、護君ほぼ泣いてる。

あ、スーツアクトに名前のある齋藤くんがこの日であがりとのこと。彼なしではここまで来てない。お疲れさまでした。

終演後に1つだめじゃね?って思ったことがあったけど、風評被害になってもいけないので、明日もそうだったらスタッフに言おうかなあ。徹底すべきことは徹底しようよ、と思いました。

追記:なんか変、と思ってたら、変身のポーズが胸に引き寄せてから空に掲げるのね。見聞と逆。"ブラックスター!"

 

10/8 夜(B班)

今日は、Amazonの箱やめて、ドアも壊さずまともに(だがうるさく)入ってきた護くんをはじめ、なんとなく基本どおりの芝居でした。B班としては私が見た中ではいちばん落ち着いたできでした。入れ事がないわけじゃないんだけど、枠に収まる程度にやる行儀よさ。

その代わりいつもはしくじらない人が台詞を省略しちゃったりして、お疲れかしらん?って感じだった。

神那ちゃんが最初の朝の部分から、心なしかきゃぴきゃぴしておりました。

あと、ファンタジーな芝居に対して野暮かと思って今まで言ってませんでしたが、京ちゃんが海岸の調査(岩場)にハイヒールで来てるのは、ハマるで、折れるで、っては思うよね。今日はたぶん別班の芝居(通行人)のために靴があったのかもだけど、調査の場だけぺたんこ靴でした。よかった。ハイヒールで岩場を歩く達人なのかと思ってた。

で、青龍の使いがやばくなってました。

もとからある意味やばかったが、今日は違う意味でやばかったな。うーん、でもね、追加公演決めたのだいぶ前だよね。わかってたと思うんだども。

で、私の観劇はここまで。

あとは千穐楽後に。


                    

公演後

ここからおさらいです。

さて、上演終わりましたので、あらすじを書いておきます。台本買ったけどまだ封印してるので(あと、進藤さんのツイートもしばらくミュートやなw)、てきとう。ご容赦。あと、場面の順序通りに書くと長くなるので少し組み替えています。(当たり前ですが、全部ネタバレです)

 

冒頭、龍神伝説に関するナレーションが流れます。太古より空の神黒龍と、海の神青龍の間に争いがあり、海の民(青の一族)は龍宮郷を築き、空の神の使いと魂魄(こんぱく)を封印する。しかし空の神はなおも災厄をもたらしたため海の民は空の神が望んだ浦野の浜に祠をたててまつった。(ざっくり。)
ナレーションの間、四柱と青の巫女がステージにあらわれて彩り、その後スクリーンが下りて主題歌に合わせて過去の映像作品が流れる。というオープニング。
(なおこの伝説は一部フェイクであることがのちにわかります。)
で、本編。この伝説の舞台、浦野に歴史研究家の三浦教授と、三浦栄太郎、神那の兄妹が暮らしている。楽しげな朝。三浦教授は三浦歴史研究所の所長。栄太郎は主任研究員。
神那たちはここに来て5年らしい。
場が変わると浜辺では、研究員の濱尾護が遺跡の調査中。一方では三浦教授と役所の瀬谷さんが、ぼろぼろの衣服を纏った男ともう1人の女が倒れているのを見つける。男がオトヒメと呻いたのに三浦教授は気付く。(これが実は5年前。わかるかこんなもん(落ち着いてくださいオレ))
歴史的価値のあるこの海岸には、荘野緑子がレジャー施設建設の為目をつけていた。
ときは元の朝に戻って、研究所にはチャラい新人の兵藤嵐が強引に(かなりいろんな意味で強引に)入ってくる。
護が新しい遺跡の調査でみつけた古文書はこれまで知られていなかった発見であった。
護は調査で泊まり込むため三浦家に向かう途中で、女の子とぶつかってしまう。女の子(雪滴(しずく))は、青の一族以外には見つかるはずのない封印に触れたため、封印を守る4人の女性(四柱)に追われていたのである。更にしずくを助けた黒いフードの男(アガタ)も絡んだ闘いの中、護はびみょーなチカラを発揮し、しずくに"みつけた"認定される💧

封印の力は弱まっていた。
これまでの研究と食い違う古文書を読み解くことが出来ない焦りで平常心を失う中、三浦教授は神那に古文書を読む力があることに気づく。
栄太郎の元には黒き神の使いが現れる。青の巫女の姿となった神那はこれを玉手箱の力で鎮めるが、目覚めた栄太郎の手元には黒龍の宝珠が残されていた。
実は栄太郎と神那は5年前海岸で発見され、三浦教授が引き取っていた男女であった。

突然姿を現した祠(ほこら)の前にそれぞれの思惑を持った人々は引き寄せられ…なんのかんのあって、緑子さんが祠=封印をぶっ壊したため、世界は止められない方向へ…はい、こっから一気に世界がスタージャンになりまーす。色々とすごく中略…おとうさーん…中略…お与えくださいっ…中略…また守れなかったー…中略…後略…
禅堂ミサキの姿となった栄太郎から玉手箱に入っていた青龍の神器=コンパクトを受け取った護。それを見届ける雪滴。
またひとつのハコニワを葬ろうとするジンのもとにはアガタが現れる。が、他愛なくあしらわれる。嵐や雪滴との関係は?アガタの口から出たオキナとは何者か。
またこんなところでおわりやがってーーー

 

スタージャンシリーズとの符合みたいなところについては別のエントリーに書いてます。(これはこれでがんばったので、スタージャン知ってる人は覗いて欲しい。)↓

kikuyamaru.hatenablog.com

 

それ以外のとこについて、終わってから書けるところをポツポツと。

玉手箱を開けるのは…

誰が玉手箱を開けるんですか?と、宣伝隊のラジオ出演時に無邪気な問いがありました。お芝居見た方、これ聞かれたら誰って答えます?
文字通りには神那ですね。玉手箱って言ってるからね。神那にとっては、息の詰まる故郷の生活より、5年の地上での生活のほうが楽しい別世界の生活だったかもしれない。それを現実に引き戻す、本当に困った時に開ける玉手箱。これはまあ、しっくりくる説明じゃない?
しかし、決死で開けた玉手箱がもたらした現実もまた偽りであり、その外にはさらなる世界がある。アガタが取り戻すと言っていたのはいったいどんな世界なんだろうか。この物語の、本当の現実はどこにあるのか。なんか、すごく、すっきりしない思いにとらわれますね。

ムネ、要らなくない?

もう、書いちゃいますけど、乙姫であるところの神那が変身すると、スタージャン(便宜上そう呼んでおきます)になるんですが、胸のあるスタージャン、インパクトありすぎで、そこまでの筋が吹っ飛ぶよー。
(散々「青の一族」言っといて衣装も青いのに緑になるのも驚くけどw。スタージャンが青龍なのはわかるけど、わかるけどっ)
女の子は胸だけ有れば女の子なわけじゃないし、スーツとして一番かっこよくなるバランスで見たい。1回だけ、胸ない回がありまして。私はそっちの方がよかったけどなあ。
(バランスについては、映画の時のブラックナイト(女性版)とか、今回最後に出てくるジンも物申したいものがある。事情はわかるけど。)
アクションはだんだんと良くなっていきましたが、女方のアクターさんの仕草とかも研究して欲しかったなあと思いました。
余談ですがこの辺、LH界隈で素晴らしかったのはゆめクリワールドのナースレンジャーで、すこぶる強くて速くて綺麗で、かわいかった。あと、長身スマートなトシマッハのプリズムも乙姫の雰囲気に通じるものがあるかなー。

嵐、なんなん?

物語の始まりの朝の場面。台所に行こうとする神那に赤い照明が当たり効果音。一瞬とまり、研究所に新人が来ることを神那が思い出す。栄太郎はそれが今日だと思っておらずズレが生じているが、今日だと誘導され慌てて出勤する。
研究所で、京に自分の説明をする嵐や、
護が、嵐が後輩であることを思い出すところでも同様のストップモーションがある。
これは、小田原求くんと同じように、さもそんな人が元からいて、そんな予定があったかのように記憶とか履歴に、嵐が介入してきてるんではないかという仮説を私は持ってます。
嵐はこの件に、ハコニワ的な意味でも裏口から入ってきたんではないだろうか。クラッキングというか。でもなんで?
JINのときは、學に情報を与えていたけど、今回別に導き手にはなってないと思う。働いてない。ただ立ち会っている。そして異空間(元龍宮郷)からは消えてしまう。何しにきたんだろうか?
アガタのほうは、現場に直接関わって、ものの方向を動かしているけども、嵐はわからんなー。「キミはなんで居るの?」

「カワッテルネっ」

すごい変なセリフだと思う。敢えてこじつけるなら元のミサキから栄太郎に変わっていることに雪滴が気づいた?って思ったけど…

私は気づかなかったんだけど

三浦教授と神那が読んでる時の古文書の向きが違うって言ってるお客さんがいましたね
それ面白いですね。

仏壇席

1列目の下手2番目(1-4)あたりに座ったお客さんは仏壇として拝まれることになります。
拝まれている間、いっぺん阿弥陀様の印をやってみましたが、護ちゃんがキラッキラした目で見てくるので、恥ずかしくて続けられなかったです。くそぅ。強い意志さえあればっ。

 

役と役者さんのこと。

チラシの記載順に。記載の多い少ないは”主観”。多少、公演中の感想とかぶりますがご容赦ください。

栄太郎
阿比留大樹さん。長い上演時間の間全部を無言で走り回り、跳び回っててもおかしくない俳優さんなんです。
多分、競演したことのある関根さんが引っ張ってきたんであろうことは予想がつく。
クレジットの並びから、関根さんは今回一歩引いて大樹さんになにかやらせるんだな、って思ったんだけど、蓋を開けたら、ずーっとしゃべってて、あ、こっちの方向なんwww ってなりました。台詞有り(有りどころではない)の普通の人で主演2時間。ぜんぜんいけるの証明されましたね。
もう少し戦ってるところみたかったですけど。和装で出てきたときのかっこよさは、この作品でもっともカタルシスを感じる場面です。正確なアクションも目を見張る。何回でも見たい。

神那(かんな)
すらっとして、部屋着でも脚カッコいいなあって見とれてしまう。
白状すると、初見、病院のシーンは、神那にそっくりな別人なのかと思ってました。
4回目くらいから、病院での神那の様子はのちほどの独白にある、ミサキが居なくなってしまうことに対するおびえだったんだなあってみえるようになりました。

三浦教授
オトナのいる安心感ですよ。頼もしい助っ人。
若い子の多い座組の場合、オトナすこぶる大事です。場にリズムができます。(自分、時代劇脳なのでそういうリズムがしっくりきます。)
しかし、このくらいの大人になると五年程度ではたたずまいに差が出ないため、どこが五年前かは初見全くわかりませんでした(笑)。
★に変身は、は?って思いましたけど、あれ、元々、操られたおとうさんのスーツだからな。なるほどな。
声のお芝居も…、ああ、こういう人がいてくれてよかったなあと思いました。

濱尾護
初日、俺の名前はハマオマナブ!って高らかに言ってからマモルって言い直していて、そういう演出(関連性を示唆する)なのかと思ったほどでした。
演出ではなく普通にマモルが正解だった(苦笑) 学でよかったんじゃない?って複数のお客さんが言ってました。それなら間違えないし、実質マナブだろう、と今のところみんな思っている、と、思う。
すごく声がデカいし、舞台を引っかき回していく度が少々高いんですが、この役に関しては、これが正解って関根さんが決めたら正解にせざるを得ないでしょう。でも台詞飛ぶくらいだったら、出力控えめにしてくれていいのよ。やや乱調な日もありました。(空気薄いらしかったので初日に酸素を差し入れました。マジで。) 
最初のほうの日程ではあまりにもおっさんだったのが、後半少し若返ってきて良かったです。「俺たちと同じくらいの年」…えっ? ってみんな思ったでしょ?
あれやな。大学が大好きで8年くらい通ってしまった先輩、かなんかやな。
関根さんももうちょっと戦ってくれても良かったよねえ。長年転がってきたスタントのワザについてはそりゃあ堪能しましたが。(いい転がりでしたよ。うん。)
あと、乙姫のスタージャンをスーツアクター関根さんで見てみたい。キッチンに向かうときのスタージャンママっぷりがそんなことも思わせました。(へんてこなドリンクは毎日関根さんが作ってたそうです。)

緑子さん
緑子さん、パワーアップして再登場。うはははは。お芝居も毎回乱れなくすばらしいし、言葉の抑揚がすてき。
特に、異空間にすっ飛ばされてからの本性丸出しっぷりがいいです。
こういうキャラは初めて、とツイートしてたかと思いますが、いや、ぜんぜんはまってるけど。


嵐という役については上の方で述べましたので、略。(ごめ)
大役をよくやりおおせたなと思います。わずかな隙間にぎりぎりのアドリブを突っ込めるセンスは買いたい。(これは受ける側にスキルがあって成り立つものですが)
一方で、雪崩になってしまう言葉がちょいちょいある。チャラい役でも言葉をちゃんと置いていかないと、聞き取れないです。


A班が早紀ちゃん、B班がりこちゃんです。たぶん"研究所の中で唯一のまともな人"を体現しないといけない役。
早紀ちゃんは、早紀ちゃんだったー。(ヒドイ感想)いや、早紀ちゃんが常に切れ散らかしてるとかそういうことではありません。
なんとなく、スタージャンだとこういう系統の役がくるなあと。舞台のコンテキストの上に乗っかるという意味では経験がものを言っているなと思いました。
りこちゃんは、素でも"それあんまり関心ない"みたいな風情がただようことがあるんですが、そういうとこがキャラに出てたような。あと時折、1m以内にいる人に喋ってるようで、これは普段マイクを持っているせいかしら。最後のほうの日程では、舞台らしくなってきていました。
岩場の靴が変わったのはマル。もはやハイレベルな調査員だからハイヒールで岩場も平気なんだぜーという設定でもいいかと思ってましたが、あぁぁぁヒールはまるっ、折れるっみたいなところにお客の気を使わせないほうが、ほんとうはいいはずね。

雪滴
雪滴は、賑やかで不思議で難しい役だと思います。another シズク in another zero ですよ。すべての始まりになる役。
こどもがやってもいいのかなあって思う。そういう風情ですよね。護の音量と相まって、すっげーうるさいコンビ。
でも最後に護と栄太郎(ミサキ)を見守るところでは、なんとしてもこの作品のからくりと価値観をねじ込まないといけない。
台詞1つにこの芝居1つぶんの泣きを盛り込まねばならん。大変だったろうと思います。
私は、そこに至るためのしかけが、このお芝居のなかに、少し足りないんじゃないかなって思ってる。
雪滴が徹頭徹尾、護にくっついてるだけでは願いの火云々っていうところまで行き着けないと思うよ。(これは雪滴のせいじゃなく、物語の流れの話)

アガタ
具現した中二病、みたいな役。うっちぃさんが、チェキのときに、刀を見せびらかしてくるので、自分で塗装したの?って訊いたら、うなずいて、嬉しそうでした。
よかったねえ。やりたそうな役で、っていうのが総じての感想です(ぉぃ)
この人だけ、やってることがアニメだもん。好きなように作り込めそうでいいやね。
立ち回りもあるし。顔ほとんど見えてないけど、ショーのタイガジャン(なかみ)のときも見えないから楽勝!
衣裳については、お客さんに「私服だよねえ…」って言われて「いや、衣裳。」って言い張ってました。
アガタを漢字で書いたら、私が思いつくのはまず「県」なんですよね。
「神奈川」で「スタージャン神」が最初に来たから、つぎはハギーの「奈」(ダイ)かと思いきや、欄外の「県」が来てしまう可能性が微粒子レベルで存在するのでは。

愛ねえちゃん
愛と書いて、めぐむ、です。めぐむ。読めん。
市井の人代表。パンダエプロン継承者。話を聞かない系。
今回は濱尾姉弟ということになるのですかね。
護のリュックが不安定なので拾ったり、スリッパ揃えたりたいへん。
濱尾家の場がある理由はよくわかりません。着替えるんなら、着替える場を用意しちゃえってことなんだろうか。

亀生田
かめきだ。浦島太郎なので亀も必要ですね(ちがいます)。
緑子さんの一の子分…じゃないかと思います。眉のお手入れも怠らないあたり、ナルシストでしょう。(てきとう)
しかし、分はわきまえており、緑子さんを食うような前面への出方はしません。行儀が良いですね。
裏のイヤな仕事もやってるんだろうなっていう顔の芝居を、チラッとしてます。
この芝居、気づいてくれる人いるかな?とか思ってそうですね。気付いても言ってやらん!っていう気分になるようなキャラですww

辰峰
二の子分ですかね。B辰が会議体の名前をずらずらと並べるところが、毎回ハラハラしました。早口言葉なの?

役所の瀬谷さん
小市民代表。いい人なんだけどねえ、上の言うことには逆らえないよねえ。
…っていう感想を素直に生じさせる人でした。
劇場のあるビルに入るところで、検温係もやってて(現実世界でね)、なんか、劇の中と同じひとでしたねw

吹鳴
ここから四柱です。吹鳴ちゃんがおねえさんなんですかね。思慮深さがためらいを生む。長女キャラだわぁ。でもその判断は”スタージャン”の話が進むためにはありがたかったと言える。
舞や構えが安定していて、綺麗でした。ぴんく。

氷湖
ひょうこちゃん。いちばん使命に真っ直ぐなキャラかもしれないですね。若いなあ。
わぁーーってわめきたてると台詞が聞こえづらくなるのが難でした。アクションに遠慮がなくなるともっといい。思い切りが欲しい。みどり。

伯愛
はくあちゃん。調整役。竹久夢二美人画から出てきたみたいな風情でしたねー。戦いに挑むときの待機姿勢がなんかいい。あか。

緑陰
はくあちゃんにべったりの末っ子キャラ。しかし、戦いに挑むときはきっぱりした割り切りを見せるのがいいですね。
異国語なまりの舌足らずさが、よさであり、難であり。「はしらの家系だよ」っていうの好き。きいろ。

看護師さん(山吹紅葉)
5年前といまをつなぐひと。
B班のもえちゃんは、とても若い子なのですが、日が進むにつれリアルなおばちゃんの風情を醸し出してきていて可笑しかったです。


さいごに一人増えてびっくりだよ。なんかの役で出るんだと思ってた。


運営のこと

現場の対策については、最初の頃に書いたとおりです。頑張っていたっ。
しかし、つっこみどころもないではなかった。気づいたことは伝えたい人には伝えました。

物販は、少し難しい質問をするお客さんがいると、チーフの対応が止まってしまうことが見受けられました。そんなときはサブの人が手を止めずにほかを捌くと言った動きが欲しかったです。
ブロマイドの見本に番号を付けるとか、後から渡すものは引き換え券を渡すとかは、後から工夫できてて良かったので、次にも活かせるようになってるといいですね。繰り返しが出来ることが成長というものや。
スタージャンの物販で一番年季の入ってる売り子さんはまつよちゃんなんです。しかし、今回キャストである彼女はその敏腕を発揮できないのだ。技は継承されるべき。

発信の姿勢について
旗揚げ公演については、結局ウエブページがあるだけで、公式のSNSとかは、なしでおわっちゃった。
例えば客席数の変更、お花の取り扱いの変更、関係者になにかあった、そういう新情報が出たときにプッシュして送ってくる媒体がない。一部の役者さんから伝わるだけ。
多くの人にとってはわざわざ自主的に見に行くプル型。しかも本文の途中に変更点がちりばめられていて、ひととおり読まないと、どこが変わったか見つけられない。
検討中のものは検討中のままで、最後までやるとも、やらないとも書いてない。
訊きたいことがあったって、メールだと訊いた人とメールでの答えっていう閉じた内容で終わっちゃう。なんか、もたっとしてる、というのが今回の情報の出方の印象です。(いや、スタージャンは割といつもこんなふうだけどさ…いつもと同じにする必要はないんだぜ)
ここが変わりましたよって、都度都度最新情報を教えてくれるものがほしくない?
比較的おおやけな視点での発信をしていた俳優さんもいらしたんですが、ゆーて、自分のフォロワーへ向けてになってしまいますよね。
あと、役者同士の仲良しツーショットとかって、割と内側に向いた視線だと思うんですね。稽古場の様子を伝えるにしても役者さん以外に客観的な目を持った主体がほかにあるといいんじゃないかなあって思っています。
今回、劇団という名前がついてますが、スタージャンのプロジェクトと一体なのか違うのかわからないし、劇団ってなんなん?という疑問に答えるような発信はない。すごくぼやっとしてる。団員は誰で主宰は誰でどこに向かってるんやー。あと、ネットの上にも、その拠り所はあってもいいんじゃないかなあ。
仕事のときは、相手の実体があるかどうかについて調べるのに、まず代表は誰か、連絡先は?、そしてWEBサイトが存在するか、やりとりができるか、って感じでみていくじゃないですか。そういうのが全然なくて、ふわふわしてる。個人的にはもう少しかっちりした実体が見えるといいなあって思いますよ。

あと
前のほったらかしてあることの説明ちゃんとしてくれないから劇団見に来なかった人いると思うので(ていうか居るのを知ってます)
放ったままのことも、次までには是非説明してください。ね。

2020.10.12 EP:1放送開始から7周年の日に キンモクセイの花を思いながら
 みちはつづく…のか?

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護さん